龍吉のライブでは、曲中やイントロダクションとして「語り」がある。それは、サウンドと同等の表現手段として重要なファクターである。
詩というよりは、朗読、つぶやき、、、、。飾らないその言葉の端々に、彼のナチュラルなスタンスを感じていただきたい。

Index
  • ヒマラヤ 山・風・ヒト
  • チャオ プライヤー川の夕日
  • 琉球 神の風
  • 流 水 落 花
  • アジアの風をたべに行く
  • 月とうさぎと6ペンス
  • 少年とはだか馬
  • 東 風 回 帰
  • やわらかい雨
  • 島 唄 恋 慕
ヒマラヤ 山・風・ヒト
チャオ プライヤー川の夕日
ぼくは歩き続けている
一本の山道を
歩いているのは足だけで
頭の中では 複雑な迷路を彷徨っている
東京での生活 仕事の事 色々な事が
頭の中を駆けめぐる
迷路から逃げ出したくて この一本の
山道を歩いている
3日目も過ぎた頃 小雨まで降り始め
霧も出てきた
それでも歩き続ける
先に見える大きな岩まで 次はあの大木までと
小さな目標をつくって歩く
そしてその先の道をまがった所で
突然 視界がひらけ 青空がひろがった
そしてやっと見えた
バンコクの中心を流れる
チャオ プライヤー川
川の両岸には仏教寺院が
多く点在している
夕暮れ
川も 寺も 町も
夕焼けで真っ赤に染まる
川岸のホテルのテラスで
グラス片手に ずっと見ていると
これまでの人生の 一場面 一場面が
走馬灯のように
浮かんでは消え 浮かんでは消えていく
なぜか突然 目に涙が溢れてきた
琉球 神の風
流 水 落 花
戦争であんな悲惨な目にあったのに
島の人のあのやさしい表情は なんなんだろう
米軍基地があんなでかい面しているのに
子ども達のあの はずむような気持ちは
どこからでるのだろう
そうか あの島は日本なんかじゃない
そう 琉球王国
あの島にはきっと特別な風が吹いている
東シナからの風
きっと偉大な風神さんでもいるのだろう
流水落花
水は山から海へ帰る
花は落ち 土にもどる
なすがままの姿だ
一見 平凡なようだが
無限の広がりをみせる
アジアの人々は
そんな宇宙観を大切にしている
流水落花
少し哀しい響きだが
自然のやさしさは 厳しさと一体だ
自然破壊も
アジアの宇宙観を持って
見直す必要があるのかもしれない
水は山から海へ帰る
花は落ち 土にもどる
アジアの風をたべに行く
月とうさぎと6ペンス
南のある国では
旅をする事を「風をたべに行く」と言うそうだ
わたなべよしたか氏の
旅行記のタイトルにもなっている
すてきな言葉だな
風をたべに行くか
ぼくの旅も 自由気ままな旅だ
あまり目的をつくらず
名所 旧跡など全く興味がない
その日暮らしの旅だ
その街 その村の
空気を感じに行く旅だ
空港に着いた時からそれは始まる
その国のにおいが ぼくを出迎えてくれる
これが何とも言えぬ旅の喜びだ
東京に暮らしていると
南の国の風を たまらなくたべたくなる時がある
風をたべに行く
すてきな言葉だな
遠い空を探しに旅に出る
居心地のよい場所を探しに旅に出る
行き着いた所はアジアの片田舎
メコン川の川岸
小さなホテルのテラス
夕暮れ ホロ酔い気分
東京で釈然としなかった気持ちが
どうでもいいやと思えてくる
対岸の家からけむりが流れる
夕食の支度だろうか
家の前では父親らしい男が釣りをしている
釣れれば今夜の酒の肴が一品
ふえるかもしれない
川の音 船のエンジン音
はじめての町なのに
なぜかなつかしい
アジアの風が
ぼくの心を癒してくれる
このやさしい風はどこから吹くのだろう
マイペラン どうにかなるさ
ふと 夜空を見上げる
今夜は満月か・・・・
少年とはだか馬
東 風 回 帰
少年は眠れぬ夜を過ごし 朝を迎えた
今日は村の祭り
どの少年たちも 期待と不安に
高鳴る胸の鼓動を抑えている
銃砲の音と共に 一斉に手綱を握る
走る 走る 走り出す
先の先の小高い丘まで走り
折り返してくる耐久レースだ
小ぶりな馬にまたがる少年
ゴール寸前 鞭が入る
モンゴル平原 そして空は
どこまでも広がりを見せる
まるで少年の心のような広がりだ
素敵だな
ぼくの町の少年たちにも
こんな体験させたいな・・・
ぼく達はそろそろ
帰るべきと所に
帰らなければいけないのではないか
東アジアのひとつの国 日本に

そう アジアだった頃の日本に戻ろう
現代社会が抱えた呪縛から解放され
素朴でも豊かな生活に戻ろうじゃないか
大切な事は ぼく達の子孫に迷惑をかけず
素朴でも幸せをつかむ事だ
これからは
あせらず ゆっくり行こうじゃないか
東アジアの豊かな風に吹かれ
やわらかい雨
島 唄 恋 慕
今日は雨
一日どうやって過ごそうか
途方にくれている
ここはインドネシア・バリ
この国では 安宿のことをロスメンという
ぼくの泊まるロスメンの窓から 蓮池が見える
シトシト降る雨の向こうに 蓮の花
そうだ 今日は休息日にしよう
一日中 ダラダラこのロスメンで時をおくろう
酒をちびちび呑みながら
蓮池をベットの上から見ている
なんだか 今日の雨に感謝したくなるほど
やわらかい気持ちになってきた
酒をちびちびやるもよし
そのままベットで寝るもよし
極楽があるとしたら こういう事をいうのかな
まずは今日の雨に乾杯だ
一人の男がいる
今は沖縄の小さな島に暮らしている
生業は漁師だ
島では海人という
夕暮れ 空は紅
縁側には 苦瓜の炒め物
グラスに 島酒をつぐ
風にのり 三線の音がかすかにとどく
これはある都会に暮らしていた男の話だ
男は都会を捨て
島の暮らしを選んだ
そして心の渇きは消えた
男は思った
何で自分がこの世に生を受けたのか
そしてこの世に自分が生まれた
命の証を見つけた
そうか やれば出来るんだ